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2008年10月12日 (日)

発達障害「学習障害(LD)」―読字障害

今日、NHKスペシャル「病の起源」という番組を、たまたま見ました。
本日のテーマは「読字障害」。これは、発達障害のひとつ、最近話題になっている「学習障害」に含まれるとされているものです(他には「書字障害」「算数障害」がありますが、ここでは割愛させて頂きます)。
「読字障害」の診断基準は以下のとおり。
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A.読みの正確さと理解力についての個別施行による標準化検査で測定された読みの到達度が,その人の生活年齢、測定された知能,年齢相応の教育の程度に応じて期待されるものより十分に低い。
B.基準Aの障害が読字能力を必要とする学業成績や日常の活動を著名に妨害している。
C.感覚器の欠陥が存在する場合、読みの困難は通常それに伴うものより過剰である。
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文字を読む時、人の脳は、まず、視覚刺激を受け取ります。次にその刺激の形を分析します。どんな形の文字かを見るのですね。そして、その文字たちを音に変換します。声に出さずに読んでいても、皆さんは頭の中で、言葉が聞こえていますよね。そして最後に、言葉を言葉として表に出すための、言語野が働きます。
読字障害の人たちは、会話はスムーズに行えます。音声で伝えられたことへの理解は、障害のない人と全く変わりありません。ただ、文字からの情報をうまく処理できないのです。先に挙げた番組では、その原因を、文字を音に変換する、第39,40野の働きの不足のせいとしています。文字を見ても、形として認識して、そこでつまずいてしまうということです。第39,40野は元々、視覚、聴覚、体性感覚を統合して、うまく体を動かしたり道具を使いこなしたりという、複雑で高度な役割をしている部位なのだそうです。
現在、アメリカでは読字障害を早期に発見して、幼いころから感覚を統合する訓練を行うことによって、ある程度克服できるという見解で、早期療育が進められています。
日本ではまだごく一部でしか行われておらず、番組では、大阪医科大学LDセンターがちらりと紹介されていました。
読字障害は、欧米では10人に1人、日本では20人に1人に疑いがあると言われています。ずいぶん多いですよね。計算で行くと、クラスに1人2人はいたはずです。そもそも文字の使用が広く普及したのは、産業革命以降の本当に近代ですから(多分、印刷技術の開発に伴って)、それまでは、読字障害なんて「障害」はなかったはずです。私が子どもだったころにしても、国語の時間に教科書を読まされることはありましたが、「あぁ、この子、読むの下手だなぁ」くらいの感覚で、誰も、教師でさえ、それほど問題視していなかったかと思います。コミュニケーションはとれるし、皆と仲良くできるし、問題ですらなかったのかもしれません。
番組の終わりに、語り役の片岡鶴太郎氏が、一般的ではありますが非常に良い言葉で締めくくったのが印象的でした。
「障害があろうとなかろうと、その人の能力を活かせる社会でありたい」
誰にでも得手不得手があり、不得手な部分に着目して訓練するだけでなく、得手とする部分を存分に発揮できる社会になってほしいですね。

先ほども少し触れましたが、読字障害などというものは、人々が読み書きを日常的に使うようになったからこそ表に出てきた障害なのです。現代にも読み書きを学べなかったという方がたくさんいます。当時はそれが当り前で、困った時には読み書きのできる人がフォローしてあげるべきものだったのです。ところが今は、大多数の人が読み書きできるものだから、できない人を「障害」だと言って隔たりを作って、「訓練」しなければ、と言うのです。もちろん、本人が望むならば訓練するのも良いでしょう。けれど、ちょっと昔を振り返って、みんなが文字の読み書きに苦心した頃の温かさを、取り戻してみてもいいのではないでしょうか。

近年、自閉症と診断される子どもが、以前の2倍近くになっているそうです。とはえい、別に自閉症が突然変異的に増加したわけではないと思うのです。昔は、「ちょっと変わった子」として、それでも皆に受け入れられていたから、わざわざ「障害」だなんてつけなかったのだと思います。アスペルガー障害のお子さんに会うと、よく、実は親御さんもアスペルガーだった、なんてことがあります。つまり、親御さんの時代は、それと知らずに当たり前に結婚して、子どもを産んでいたのです。現代では「障害」があるから、「社会」に「適応」できないと言われていますが、彼らは少なくともその当時の「社会」には「適応」できていたということです。
科学が発展して、色々な病気や治療法が研究されるのは非常に素晴らしいことです。けれど、少しでも自分と違うところを発見して、「障害」と名づける社会より、「障害」などという言葉のない社会の方が、ずっと健康的な社会なのではないかと思います。重い障害が増えたのではなくて、障害を受け入れられないような窮屈な社会になってしまったのではないでしょうか。私たちの社会は、どんな方向へ動いているのでしょう。

オマケ
ブログの一隅に鎮座しているグリムスですが、これは投稿によって木が成長して、一本の大きな木ができるたびに(?)、実際に植林しようという企画なのだそうです。このたび1周年記念のプレゼント企画…innoveco Tote Begie line がほしいなぁ。(この文章は企画応募用です。失礼しました) 

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