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2013年7月30日 (火)

甘いコーヒー (銀河英雄伝説 ついのべ)

今回は、またまたついのべです。
「ついのべ」などと自称しておきながら恐縮ですが、本来のついのべは、140字以内に収めた超短編のこと。以下の作品は、140字以内を5回連続ツイートして完成しているので、ショートショートと言った方が適切なのかもしれません。
まぁ、ツイッター上で即興で書いたものというくくりで、ついのべと表現いたしました。

ともあれ、フォロワーさんとの会話の中で、突如妄想したことを、小説風に書いて見ちゃおうか!というコンセプトのショートショートでございます。(まえがきのほうが長くなる;;)

Line4

甘いコーヒー


ふうと息を吐いて、オーベルシュタインが顔を上げた。ぎりぎりに提出された黒色槍騎兵艦隊の演習計画に、ようやく見通しがついたのである。
「お疲れ様です、閣下。コーヒーでもお淹れしますね」
フェルナーは立ち上がって隣の休憩室へ向かうと、軍務尚書専用のコーヒーカップを取り出した。
挽き立てのコーヒーに湯を注ぎながら、二人分のカップを温める。
「今夜はまともな時間に帰れそうだな」
そう呟いて、ちらりと執務室を振り返った。
「あの人も無茶をするからなぁ」
多忙なのはいつものことであるが、有事とあらば2,3日の徹夜などものともしない。一応フェルナーより年長であるはずなのだが。
軍務尚書のコーヒーには角砂糖とミルクを添え、盆を片手に執務室へ戻る。声をかけようとして、フェルナーははたと足を止めた。
組んだ両手に顎を乗せて、オーベルシュタインは瞼を閉じて眠っていた。白髪混じりの前髪がわずかに落ちかかり、意外なほど長い睫毛にかかっている。機械の瞳が隠されているせいか、なんとも中性的な魅力を感じさせる横顔であった。軍人らしくない線の細さも、それを助長しているのであろう。
フェルナーがそっとコーヒーカップを机の隅に置くと、その些細な音でか、それともその香りでか、オーベルシュタインはがくんと肩を震わせて目を覚ました。
「甘いコーヒーをどうぞ」
フェルナーはつとめて平静な口調でそう言ったが、上官はばつの悪そうな顔でついと目を逸らすと、「ああ」と囁くような声を出して、ゆっくりとカップを持ち上げた。


(Ende)

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